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冬の花火
〜エピローグ〜
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ふと、携帯の時計に目をやると午後1時30分だった。

空を見上げると先ほどまで空を覆っていた灰色の雲はいつの間
にか見事に消えていた。

「さすが晴れ男。」

私は目の醒めるような青に彩られた空を見上げたままでいる。

「そろそろかな。」

私がそう呟いた次の瞬間、その人物は満面の笑顔でやってきて
『おまたせ。』と言った。

「待ってるのも楽しいから。」

彼、夏生(なつお)を見て応える。

冬弥が亡くなったあの冬から5年の年月が流れていた。

私の中には相変わらず冬弥がいるままで、きっと一生消えるこ
とはない。
でも、彼はそんな私をまるごと受け止めてくれた。

痛みが消えたわけではなかったけど・・・
泣きたい夜もくるけれど・・・
辛くない日がないわけじゃないけれど・・・

それでも私の周りには幸せが溢れてるから・・・
冬弥が教えてくれて、夏生が思い出させくれた幸せが。

沢山の幸せの中に私はいて、だけど時々辛さや悲しみでそれを
見失っちゃう時があって、でもそれは不幸と同じじゃなくて。

泣いたり、笑ったり、挫けたり、また立ち上がったり・・・
毎日がそんなことの繰り返しで、それでもやっぱり私は幸せの
中にいる。

だから歩いていける。

この冬弥のいない世界で幸せを感じながら。

何より今は独りじゃないから。


夏生:「じゃ、行こうか冬子。」

「うん。」

ゆっくり歩き出した夏生の腕に自分のそれを絡めて私も一緒に
歩き出す。

清々しい青と眩しい白に包まれた幸せに溢れたこの世界を。


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